“牛乳が体に悪い” 説の賛否論で見落とされている一番大事なこと

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最近では「牛乳神話崩壊」という記事をよく目にするようになりました。「牛乳は体に悪い」「牛乳を飲んでもカルシウム摂取できない」等々。確かに調べればたくさんの否定的な研究結果や記事がでてきます。

しかしこういう情報が飛び交っていても実際にこの牛乳の実態をきちんと理解してる人はあまりいないのではないでしょうか。

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まず口にする乳牛そのものがどのような飼育を経て牛乳が商品化されているのか。また、そもそもなんで日本人は牛乳を飲むようになっていったのか。

知っているようで知らないこの点を探ってみると消費者の我々も違った視点で牛乳に向き合えるかもしれません。



アメリカも戦前時期は牛乳普及に躍起になっていた


日本は戦前まで牛乳は一般には普及されておらず北海道のある地域で生産されるなどごく一部で搾乳文化があったようです。それが、戦後にアメリカのGHQによって牛乳文化を日本全国に普及させました。

戦後貧しかった国民の栄養不足を理由に「栄養のある」牛乳を積極的的に推進する米主導に加え、日本政府もGHQの指導に従って国の政策として「牛乳神話」を作った歴史がありました。そして、驚くことに同じようなことを同じ時期にアメリカでもやっていたんです。

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↑これは解像度が低く見難いグラフですが、1930年度から2007年まで77年の米国牛乳生産量グラフの推移です。

1940年からグラフが伸びてきていることがわかると思います。1930年代世界恐慌下のアメリカはルーズベルト大統領の下でニューディール政策という失業者対策を打ち出し、多くの失業者であふれていた美術、音楽、演劇などの芸術分野の支援策を行いました。

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↑こちらの2つのポスターはその政策の一環で大量の牛乳広告を公共事業の一環としてアーティストに描かせたものです。これは米政府の一石二鳥策で、失業者の職支援と共に不況対策の一環として新たな牛乳分野で経済発展を狙ったものでした。

そして1946年にアメリカでも全米の子供へ公式に牛乳普及が法令化されたのです。1946年と言えば、折しも戦後直後の日本です。当時の日本はアメリカの占領下だった為、アメリカの牛乳市場拡大のターゲットになったわけですね。

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↑こちらが日本の牛乳生産量の推移です。残念ながら私が調べた限りでは戦前から戦後にかけてのデータはどこにもないようですが、戦後から一気に普及していったことが分かります。

その一助となったのが、昭和29年に施行された学校給食法です。施行規則には

“完全給食とは、給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食をいう”

と政府が牛乳を強制的に学校の給食に取り入れたことが巨大な牛乳市場を作り上げたきっかけになっています。



市場拡大は不自然なミルク大量生産を余儀なくされる


需要が広がれば当然、供給も拡大しなくてはなりません。そうなると前記事(「鶏肉ブロイラー大量生産」知ると恐ろしくなるチキンの実態!)でも取り上げましたが、供給量を増やすために不自然な量産体制が余儀なくされ、チキンと同じことが起きるわけです。

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のんびり牧草で草を食べさせて子牛への授乳時に搾乳するなんてしていたら生産が間に合わなくなります。スピード大量生産の仕組みはすさまじいものです。
生後すぐに子牛は母牛のお乳も飲めないまま引き離され人間によって育てれます。(子牛は人工ミルクを飲ませる)その後の一生はあまりに悲惨です。

マイケルは愛のメッセンジャーさんのサイトから引用**********
必読:牛の一生を働いてみた女性の手記です

2年も経たないうちに人工授精を施された牛は、分娩して、牛舎に繋がれっぱなしの生活をおくるようになる。能力として望ましいのは一年に一産のペースとされる。

分娩後、2〜3カ月後に再び人工授精され、妊娠しながら乳を搾り取られるということになるのだ。これは牛にとっては大きな負担で、2〜3回それが繰り返されれば牛の体はボロボロ。内臓はフル稼働で休む暇もない。

疲れきった牛は様々な病気を発生し、能力も限界を迎え、用無しとなった牛は肉として売られて一生を終える。人間でいえばまだ30代くらいの若さだろうか。残念ながら、これが日本にいる牛の現実。


(引用終了)**********

この搾乳量も自然界の10倍相当で1頭あたり7,300kgを量産させるそうです。

更に問題が餌です。牛達の飼料は、炭水化物の成分を大量に摂取させる必要がある為、トウモロコシが飼料の半分を占めるそうです。が、このトウモロコシこそ超危険!あのモンサント社の遺伝子組み換え輸入トウモロコシなんです。それを毎日食事の半分量を遺伝子組み換え原料の餌で摂取するんです。

また、こうした過剰な飼料の摂取、本来草を食べる牛に自然界では食べないトウモロコシ(しかも遺伝子組み換え!)のような穀物や脂分、豆などにより62%が病気にかかり7%が死亡しているとのこと。



そもそも自然界ではありえない乳牛のミルクで健康の良し悪しを語っている


冒頭に戻りますが、この”牛乳が体に悪い” 説の議論の中心となっている牛がこのような自然界ではありえない状態で大量生産された牛の乳です。こんな悪環境で育った牛のミルクが市場の大半を占め、それを健康に良いだの悪いだのという議論自体に違和感を持たざるを得ません。

また、酪農協会の大組織や牛乳市場をみれば牛乳を守ることが優先になるのは火を見るより明らかですね。「牛乳は体に良くない」などと言われ広がったら酪農関係者は死活問題です。

牛乳が好きな人は、せめて悲惨な環境で育った牛の牛乳ではなく、自然界に育って搾乳された有機牛の牛乳を適量に飲んでみてはいかがでしょうか。


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タグ:牛乳 悪い

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posted by 阿呆多良介 at 09:00 | 食 / 健康 / 体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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